ビジネス発想力を身につけるドリル_はじめに

この一連の記事はビジネスアイデアを考えつくことは特別な才能を持つ限られた人にしかできないとあきらめているあなたのために書きました。記事の中では、優れた着眼点を持つ起業家たちが生み出した実際のビジネス事例の題材を演習問題としてご紹介しています。問題形式にしているのは、多くのビジネスパーソンが抱える「アイデア発想力の壁」を乗り越えるには、「アイデアを生み出す発想プロセスの型」を”知識”として理解するのではなく、問題を解くことを通じて、自ら発想のフレームワークを使い”血肉化”するのが最も早道であると考えたからです。

アイデアを生み出すフレームワークや具体的なビジネスモデルの事例を紹介している書籍は数多いですが、必ずしも、これらを読めば明日からビジネスアイデアが出てくるというわけではありません。
なぜなら、社会で注目されているイノベーターやアントレプレナーが何に着目し、どのように頭を働かせてビジネスアイデアを形にしていったのかは、出来上がった状態のアイデア事例やビジネスモデル事例を見ただけでは読み取るのが困難なためです。そこで、本書では実際に成功しているビジネスアイデアの発想プロセスを抽出・類型化し、7つの型(フレームワーク)にしました。また、各フレームワークに沿って情報を組み立てて構造化する演習問題を用意しています。

本来、発想プロセスは“型にはめられる”ものではありません。ビジネスアイデアは「論理」と「アート」の狭間から生まれてくるものだからです。それでも本書が「フレームワークの活用」を軸に内容を組み立てているのは、自転車を乗れるようになるにも、泳ぎを覚えるのでも、見様見真似でやってみるところからしか始まらないからです。

修行の過程を表す言葉に「守破離」があります。

守:師や流派の教えや型、技を忠実に守り、身に付ける段階
破:他の師や流派の教えも研究し、良いものを取り入れ、型や技を発展させる段階
離:身に付けた型や流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階

まずは基本を「守る」ことから始め、既存の手法やマニュアルを理解し、それに従って行動します。
本書はこの「守」に当たります。ここでお示ししているフレームワークを発展的に崩し、自分なりの型を皆さんが創造できた段階が最終的なゴールです。

問題を解くごとにアイデアを出す発想プロセスが定着し、発想力が高まってくるよう、徐々に難易度が高まるように問題を配置しています。
ぜひトライしてみてください!


本連載コラムの内容を書籍化しました。ぜひ、ご一読ください!

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